バイト敬語とは
アルバイトに慣れること自体が悪いわけではないのですが、中にはアルバイト特有の変な習慣もあります。
アルバイト先では当たり前のことでも社会では奇異に思われる点については気をつけた方がいいでしょう。
特に、アルバイトで身につけたけど実際には間違いだらけなのが「バイト敬語」です。
バイト敬語というのは、接客業などのアルバイトでよく使われる表現です。
中には文法的に正しくないものもたくさんありますから、鵜呑みにしてどんなシチュエーションでも使ってしまうのはよくありません。
正社員としての責任がなく、肌に合わなければいつでも転職できるアルバイトは確かに楽な仕事ですが、定年退職の年頃までアルバイトだけで生活をしていくというのはやはりきついものです。
ですから、アルバイトでのスキルだけに埋もれてしまわず、「自分の人生は本当にこれでいいのだろうか」「もっと真剣に取り組んだ方がいいのではないだろうか」と常に自分に問いかけてみることが大切です。
そうすると、バイト敬語に慣れてしまっているような状況に甘んじてしまってはいけないことが分かってくるはずです。
つい使ってしまうバイト敬語
具体的にバイト敬語にはどのようなものがあるかと言うと、最も頻繁に使われるのが「〜の方(ほう)」です。
受付の人などが「次の予約の方はいつがよろしいですか?」というような言葉を当たり前のように口にしてしまいますが、「〜の方」というのは曖昧な表現で、実際には「次の予約はいつがよろしいですか?」と言うのが正解です。
「〜の方」というと婉曲な表現になるため、丁寧な感じがしますが、予約の日時などを明確に定めるためには曖昧な表現は避けるべきでしょう。
また、「よろしかったでしょうか?」というのも日本語としてはいささか妙な表現です。
アルバイトをしていると、この表現を使うことによってなんとなく丁寧な感じが強調できるような気がするかもしれませんが、「よろしかった」というのは過去形です。
現在の注文を確認するための言葉なので、この場合は「よろしいでしょうか?」というのが正しい表現です。
例えばファストフードのお店でアルバイトしている場合、会計の際に「ご注文はAメニューでよろしかったでしょうか?」と聞くのは間違いで、「ご注文はAメニューでよろしいでしょうか?」が正解なんです。
このように、バイト敬語というのは一見すると丁寧な印象ですが、文法的には正しくないものなので、口癖にならないように注意しなければなりません。
バイト先によっては間違ったバイト敬語がマニュアルとして定着しているところもありますが、「この言葉は正しくない」という認識を常に持っておくことが大切です。