漫画や小説の舞台になった五稜郭公園
北海道の観光スポットというと雄大な自然を満喫できるところが多いのですが、歴史を感じさせる名所もたくさんあります。
その代表格の一つが五稜郭公園でしょう。
函館を訪れたら必ず行くと言ってもいいくらいの有名な場所で、星型に作られた城跡です。
もともとは江戸幕府が北海道を管理するための役所として作ったもので、ヨーロッパの様式を参考にした城として誕生しました。
この城の建設は1864年ということですので、160年近く建つ歴史ある史跡です。
この五稜郭が特に知られるようになったのは、戊辰戦争のことがあったからです。
本州を追われて北海道に勢力を残すのみとなった旧幕府軍の砦として徹底抗戦をした舞台として、この五稜郭が選ばれたのです。
その後、旧幕府軍が負けて戦争が終結してから、城自体は解体されてしまいました。
それでも、こうした時代の大きな変化の象徴であり、自らの命を懸けて戦った人たちのドラマは日本人の心を打ち、マンガや小説の舞台としてたくさん取り上げられてきました。
こうしたことから、単なる観光スポットというだけでなく、小説や漫画のファンがストーリーの舞台となった場所に来て、その雰囲気に触れてみたいというケースも多いのです。
五稜郭公園を訪れて幕末を体感する
五稜郭公園は、山の上の展望台から撮影した写真が多く出ています。
たしかに、五稜郭公園の特徴である星型の城址は上から見ないと分からないので当然です。
でも、歴史の舞台となった場所という観点で考えると、実際にその場を訪れるのが一番です。
実際に公園の中に入ってみると、歴史を感じられるスポットがいくつもありました。
もともとあった城は戦争後に解体されてしまったのですが、同じ場所に3分の1ほどの規模で復元されています。
五稜郭は西洋式の城だと聞いていたのですが、実際に復元された城を見てみると造りは他の一般的な和城と似ているのが興味深かったです。
中に入ってみるとシンプルな襖や欄間に広々とした畳の大広間などを見られます。
結構豪華な城が多いものですが、五稜郭の内部は機能性重視で簡素に作られていたという印象です。
それでも、やはりスタイルは完全和風で西洋の城というイメージは全くありません。
こうした城の中で旧幕府軍の主だったメンバーが集まって、官軍との戦いにどのように対峙したらいいか作戦を考えていたり、実際に武器を取って戦いの場に切り込んでいったりしたんだと考えると幕末の様子を思い浮かべることができます。
それと対照的に、城の外の景色は非常に整えられた公園となっていて穏やかで美しい景色が広がっています。
今の平和な時代を象徴するようで、昔そんな戦争があったとは考えづらいほどです。